イベントの種類

Ji, Y., & Papafragou, A. (2020). Is there an end in sight? Viewers' sensitivity to abstract event structure. Cognition, 197, 104197.


今日は簡単に紹介。

ここでも今まで紹介したことのあるイベントの切り出しであるが, イベントの切り出しを行う際にはイベントがどのような時点で終了するのかを見極める必要がある。今日紹介する研究では, そうした終わりのポイントがどのような性質であるのか, 私たちはカテゴリ分けをできるのではと考えている。

言語学から示唆を得ているらしいのだが, 

(1) The girl played the Moonlight Sonata. (2) The girl played the piano.

この2つで言うと, (1)はソナタを引き終わったら終わりというように終わりがはっきりしているのに対し, (2)はいつ終わるのかが比較的曖昧と言える。

(3) The girl split the cards. (4) The girl shuffled the cards.

この2つで言うと, (3)はカードを破いてしまったというようにモノの変化が最終状態にように思えるが, (4)の場合は物理的な変化があるもののこれからも何かしら展開があるのではと予想できそうな状態である

(5) The boy blew a bubble. (6) The boy blew bubbles.

この2つで言うと, (5)はシャボン玉を1つふいたら終わりであるが, (6)は数が不明確なので終わりがいつかわからないという印象を受ける

このようになんとなく印象ベースだけれども, イベントがる程度収束しているものとこれからも続きそうなものの2つがありそうなのがわかる。実際の実験では, 下記のように区切りのあるイベントとそうでないイベントを5秒くらいの動画で見せて, 学習する。その際には, 区切りのある(またはない)イベントを赤枠で囲っておく。そして, その後に本試行でこの動画は赤枠がつくかいなかをテストされると言うものである。

区切りのあるイベント    区切りの曖昧なイベント

fold up a handkerchief          wave a handkerchief 

put up one's hair              scratch one's hair 

stack a deck of cards                 shuffle a deck of cards 

group pawns based on color      mix pawns of two colors

draw a balloon          draw circles

tie a knot                                    tie knots

eat a pretzel                               eat cheerios

flip a postcard                             flip pages

 

結果, 成人はどちらのイベントもカテゴリ分けできるのだが, 区切りのあるイベントの方がカテゴリ課題の成績が良いと言う結果が得られている。

正直なところ文脈が備わってしまえば, 区切りの曖昧なイベントも区切りが明確なイベントへと変わるように気もするが, 今回の研究ではひとまずこうした終わりのポイントがどのような性質であるのかについて私たちは敏感であると言う結果が得られている。


Yanaoka's research page

大阪教育大学で教員をしている柳岡開地 (Kaichi YANAOKA) のウェブページです。 子どもの認知発達に関心があり,実験や観察を通じて研究を行っています。 ※このウェブページは個人的な場所であり,所属とは関係ありません。 ※リンクいただける方はご一報ください。

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