Research
ルーティンの獲得
子どもたちは, パンツを履いて, シャツを着てという順番で, 知らぬ間に自分で服を着替えられるようになります。また, おままごとや複雑な料理の手続きなども段々と学習できるできるようにもなります。このように何度も経験することで学習される行為系列のことをルーティンと呼びます。日常生活は, 買い物や電車の乗り方など, 正しい手順を踏まなければならない場面の連続であり, 幼少期から多様な場面で, ルーティンを学習することは, 成人を含め後の発達段階において不可欠といえます。私の研究では, 幼児がルーティンをどのように獲得しているのか, その認知メカニズムを解明する研究を行なっています。
Yanaoka & Saito (in press) Child Development
Yanaoka & Saito (2019) Developmental Psychology
柳岡・西村・津田. (2018) 発達心理学研究
ルーティン遂行中の行動制御
獲得したルーティンを状況に合わせて柔軟に遂行することは日常生活を送るうえではとても重要です。なぜなら,常に獲得されたルーティン通り行為が遂行されるわけではないからです。たとえば, 買い物の途中に, 買い物ルーティンには含まれていない様々な出来事−友達に偶然会って話す, 雨が降ってきたので雨宿りをする, 可愛い洋服を見つけたのでお店に入るなど−, を経験することは日常茶飯事でしょう。このような出来事によってルーティンから逸脱しながらも,最終的に買い物を完遂しなければなりません。このようにルーティンから逸脱する場面に対して, 自らの行動を修正・制御するようになる認知発達メカニズムを解明する研究も行っています。
柳岡 (2019) 発達心理学研究
Yanaoka & Saito (2017) Journal of Experimental Child Psychology
柳岡 (2016) 教育心理学研究
柳岡 (2016) 心理学研究
柳岡 (2014) 発達心理学研究